貿易関係 Q&A

貿易関係の質問・回答

▶質問:中国に中古機械を輸出したいと考えています。輸入規制や手続きについて教えてください

回答

中国では、機電製品(機械設備、電気設備、交通運送手段、電子製品、電器製品、計器、金属製品などとその部品、デバイス。中古機械を含む)の輸入について、A.輸入禁止、B.輸入制限、C.輸入自由の3つに分類して管理しています(「機電製品輸入管理弁法」第2条、第6条)。

  1. 輸入規制について
    1. 輸入が禁止されている中古機械は、「質検総局による輸入中古機電製品検査監督管理の調整に関する公告」(2014年第145号)の別紙2「輸入中古機電製品の検査監督管理措置リスト(2014年版)」における「管理措置表1:国が輸入を禁止する中古機電製品(4種類)」によって確定されています。
    2. 輸入が制限されている重点中古機電製品は、「重点中古機電製品目録」(「輸入許可証管理貨物目録」に組み入れられている)によって確定され、輸入許可証による管理が実施されています(「機電製品輸入管理弁法」第11条、「重点中古機電製品輸入管理弁法」第4条、第6条)。
    3. 「自動輸入許可管理貨物目録」に含まれる中古機電製品(重点中古機電製品は除く)は自動輸入許可の対象ですが、それ以外の中古機電製品は自動輸入許可の取得も不要です。
  2. 中古機電製品を輸入する場合の手続きの概要は、次のとおりです(なお、実際の手続きの順序とは必ずしも一致していません)。
    1. 商務部門での手続き
      輸入業者は、「輸入許可証管理貨物目録」上の重点中古機電製品については、商務部門に「輸入許可証」の発行を申請し、「自動輸入許可管理貨物目録」上の製品については、「自動輸入許可証」の発行を申請します。自動輸入許可も不要なものは、商務部門への手続きも不要であり、直接、検査検疫部門での手続きを行うことになります。
    2. 検査検疫部門での手続き(「輸入中古機電製品検査監督管理弁法」)
      検査検疫部門では以下の2つの手続きが必要になります。
      1. 積載前の検査(必要な場合)
        輸入が自由な中古機械(「質検総局による輸入中古機電製品検査監督管理の調整に関する公告」(2014年第145号)に基づき、「輸入中古機電製品の検査監督管理措置リスト(2014年版)」に記載されていない中古機電製品)は、船積み前の検査を行う必要がありません。
        船積み前検査が必要なケースは、「質検総局による輸入中古機電製品検査監督管理の調整に関する公告」(2014年第145号)の別紙2「輸入中古機電製品の検査監督管理措置リスト(2014年版)」における管理措置表2に列挙されており、例えば、建築材料生産設備は積載前の検査が要求されます。日本の検査機関で当該検査が行われる際には、当該中古機電製品に関する状況説明書を提出する必要があります。この説明書には、設備の写真、技術説明、使用状況、残存耐用年数、国の安全、衛生、環境保護に関する要求に合致しているかなどを記載する必要があります。
      2. 貨物到着検査
        輸入する中古機電製品は税関到着後、出入国検査検疫局より書類審査を経て「入国貨物通関票」(中古機電製品と明記されたもの)が発行され、続いて貨物到着検査を受けることになります。合格すると、「入国貨物検査検疫証明」が発行されます。その上で初めて中古機電製品の販売、据付、使用が可能となります。「中古機電製品輸入管理の関係事項に関する公告」(質検総局、商務部、税関総署公告2015年第76号)の別紙「現場検査を逐次に実施すべき中古機電製品目録」に記載されている中古機電製品については、通関地の検査検疫機構が関係する製品の国家技術規範による強制的要求に従い、逐次に現場検査を実施します。
    3. 税関での手続き
      輸入業者は、上述した「輸入許可証」または「自動輸入許可証」と「入国貨物通関票」などの書類を提示して税関で通関手続きを行います。
  3. 「中古機電設備輸入手続きの更なる簡素化に関する通知」について
    2009年4月10日に中国商務部、税関総署、国家品質監督検査検疫総局が連名で公布した「中古機電設備輸入手続きの更なる簡素化に関する通知」の規定によれば、企業が自社用として輸入し、生産、研究開発あるいは展示などに用いる、技術水準が高く、合理的数量の残存耐用年数が比較的長い中古機電設備について、以下の便宜的な措置が設けられています。
    1. 自動輸入許可による管理が行われ、かつ船積み前の検査が不要な場合、機電製品輸入管理部門に直接申請することが可能で、処理期間は5営業日以内となります。
    2. 輸入許可証による管理が行われ、かつ設備の製造から5年を超えない場合、処理期間は10営業日以内となります。
    3. 船積み前の検査が必要であるが、申請資料より設備の状態が良好で安全・衛生・環境リスクが低いと判定された場合、船積み前の検査が免除され、貨物到着検査のみとなります。
出展:日本貿易復興機構(ジェトロ)
 
▶質問:貨物を輸出する際の木材梱包材の燻蒸処理について教えてください。

回答:

貨物を輸出する場合、その貨物の木材梱包材に病害虫が付着し、輸入国に病害をもたらすことを予防するため、EU、米国、カナダ、韓国、オーストラリア等80カ国以上で、木材梱包材について植物検疫措置に関する国際基準ISPM No.15「国際貿易における木材こん包材の規則」(「国際基準」)に即した消毒、表示等を輸出国で行うことを要求しています。

I. 対象貨物

国際基準で規制される木材梱包材は、厚さ6ミリ以上で、貨物の積載、梱包、下敷き、支持または固定に使用されるパレット、木箱、木枠などの非加工木材です。厚さ6ミリ以下の木材で作られた梱包材やプライウッド、パーティクルボード、OSB(Oriented Strand Board, 配向性ストランドボード)、ベニヤなど、接着剤処理、熱処理、圧力処理により加工された木材は対象外とされています。詳細は、文末のウェブサイトで国際基準を確認ください。

II. 処理方法

処理方法には熱処理と臭化メチル燻蒸処理の二つの方法があります。
熱処理では、木材梱包材を加熱室(窯内)に入れ、材芯温度を含む断面全体を摂氏56度以上で30分間以上加熱する方法(HT)と、誘電加熱(例: マイクロウエーブ)により木材断面全体を連続する1分間、最低摂氏60度で加熱処理する方法(DH)とがあります。また臭化メチル燻蒸処理(MB)の場合は、温度別(木材・大気温度10℃以上)の最低CT値(薫蒸時間24時間以上、ガス濃度×時間の積)および24時間後の最低最終濃度が規定されています。
処理後は、消毒済みであることの証として、国際基準に沿った承認マークが付されている必要があります(国際基準附属書2)。

輸入国によっては、国際基準に加えて独自の基準を設けている国もあります。各国の詳細情報については、文末の「輸出用木材こん包材に関する各国の情報」のウェブサイトで確認ください。また、国内の消毒実施認定業者は、社団法人 全国植物検疫協会及び社団法人全国木材検査・研究協会のウェブサイトに掲載されています。

出展:日本貿易復興機構(ジェトロ)